【実施報告】第2回エンジニアズサロン/FY2017 2nd Engineer’s Salon

【開催案内】

2017年度第2回エンジニアズサロン(ES)開催のお知らせ

今回は、「建築物の品質保証」をテーマに、元大林組の小松義明氏から話題提供いただき、ディスカッションしたいと思います。
近年、建築設計、施工に関して姉歯事件の不適切な設計、横浜杭事件の不正な施工問題などが発生しています。これらの事件を振り返り建築物の品質保証について考えます。併せて、熊本地震などの強震度の地震が相次ぐ中で、採用が進んでいる免振建物に関する設計面での懸念を提起いたします。奮ってご参加願います。

【第2回エンジニアズサロン】
日時:2017年7月12日(水) 19:00-21:00
場所:溜池山王事務所
講師:小松義明氏(元大林組、元国士舘大学建築学科非常勤講師)
テーマ:建築物の品質保証  ―― 事件と大震災からの教訓 ――
会費:1,000円(懇親会費込)
定員:10名程度(事務局含む)

【実施報告】

参加:10名(講師含む)

今回は大林組出身で、元国士舘大学建築学科非常勤講師の小松義明さんより、建築物の品質保証問題について話題提供頂きました。近年の建築関連の倫理問題として大きな話題を呼んだ姉歯事件、横浜杭不正工事事件について、要因、内容及び対策、また熊本地震における家屋倒壊について、建築基準法へ適合していない例などをお話頂きました。
また、大きな地震が相次ぐ中で、採用が増えてきた免震建物について、長期間使用後の免震性能確認試験の結果、十分な信頼性が維持できるとの報告がありました。一方で、熊本地震における免振建物の病院損壊などを例に、現状の免振設計基準が不十分である恐れがあるとの指摘もありました。姉歯事件では、構造計算の設計震度を低くし、異様に少ない鉄筋になっていましたが、検査側は長年入力が小さいことに気づきませんでした。実質的に申請書の内容を見ていなかったことになり、認可する側の倫理も問われなければならないと思いました。ただ、建替えの際は、国・自治体が3割程度の費用を負担したそうです。横浜の杭事件では、岩盤の上面が斜めになっている所では、丁寧に地質調査をしないと、杭の長さが確定できないそうです。掘削して岩盤に届かないと言って、その時点で杭を長くすると、杭の鉄筋、コンクリートの手配などで、工程が遅れコストも上昇することで、ためらったのではないかと言うことです。

建築、土木のPEも多く参加され、身近な問題として、原因や対策について議論が大いに盛り上がりました。

今後も2~3か月おきにエンジニアズサロンを開催しますので、皆さんの参加をお待ちしています。