PE登録助言活動及びシラバス支援の背景

JSPEは、米国各州のPE資格を有する主として国内に住むエンジニアが会員となり、会員間および一般の方々との交流を進めることによって、エンジニアの国際化と社会貢献の促進を図っています。
国際化と社会貢献との基礎となる会員交流を持続的なものとするには、変動する米国PE資格制度の情報を常に収集共有し、厳正な資格試験を通過した国内エンジニアが手続き的なことで必要以上の労力をかけることなくPE資格を得られるようにしていくことも必要です。

PE登録の要件は、州ごとに細かな差異があるものの、大枠は共通しており各州PEボードの合同体でもあるNCEESは次のように示しています。

  • How to become a P.E.
    → Education : have an EAC/ABET accredited bachelor degree
    → Exams : pass a FE exam and PE exam
    → Experience :  have a four year of progressive and verifiable work experience

このうちのEducation要件について、米国外ではABET認定の工学課程が極めて少ない一方こうした国々(日本も含む)からのPE登録申請も受け付けられるよう、非ABET認定課程の同等性評価を行うサービス(Credential Evaluation CE)も NCEESが行っています。(注:テキサス州などは、NCEES以外のCEサービス機関も認定しています)。 この同等性評価の目的と評価に必要な書類について、NCEES CE は次のように規定しています。

  • Purpose of evaluation → ensure candidate’s educational background is comparable to an accredited degree in US.
  • Necessary material for evaluation →  official academic transcript, official diploma or certificate of graduation, official course description (in English)

日本ではJPECが窓口となって実施されているFE試験およびPE試験に無事合格したとしても、Experience要件とEducation要件とが各州PEボードに認定されなければPE登録に至ることができません。JSPEでは州登録支援に関して次のポリシーを掲げています。

  1. NCEES Model LawおよびModel Ruleの登録要綱に沿うことを原則とし、個別の州に登録するべきか否かなどを論評することはしない。
  2. 会員/非会員が各州ボードに対し行う手続きについては、各州の審査ポリシーを尊重し、審査が円滑に進むよう可能な範囲の支援を行う。
  3. 各州ボードにおける日本人エンジニアの評価が高められるよう、会員/非会員への情報提供と助言に努める。

Education要件については、ABETと共に国際枠組みWashington Accordに加入している日本のJABEEに認定された大学工学課程は、徐々に各州に同等性を認知されつつあります。JSPEはJABEEと協業協定を2016年に締結しています。
JABEE認定ではない日本の大学工学課程については、上記の official course description in English を用意してNCEES CEに評価を依頼する手続きが必要となることが多く、大学側が過去にさかのぼって発行したシラバスの英訳分文をすべて用意している訳ではないこと等から、こうした課程を卒業して米国PE登録に至ろうとする多くの国内エンジニアが必要以上の手続き、労力に難渋されています。

このようなことからJSPEとして会員各位の米国PE登録の実績や経験を収集し、新たに米国PE登録を目指す会員をサポートをするためにシラバス英訳支援を含むPE登録助言活動を実施しております。