【実施報告】JSPE Day 2018 「エネルギー」/JSPE Day 2018- Energy

【開催案内】

JSPEでは、PE会員とPEN/FE/AF/ST会員および非会員とが、関東や関西といった地域の壁を越えてより幅広く技術交流を行えることを目的とした終日セミナー 「JSPE Day」 を実施しております。全セッション終了後は、東京会場、神戸会場それぞれでささやかな懇親会も行います。これからPEを取得しようとする方にとっては、先輩PEと親しく知り合えるチャンスでもあります。午前1.5h、午後3.5h、合計で最大5.0hのPDHを発行します。(会員限定でセミナーのWeb視聴も予定しております)

日時  :2018年9月22日(土) 10:30-16:30
場所  :東京会場:NSRIホール(飯田橋)
神戸会場:兵庫県民会館(元町)

プログラム
10:00-10:30 受付

第一部
10:30-10:45 開会挨拶、PE登録者の読み上げなど
10:45-11:15 講演1
西久保理事@神戸会場:NSPEラスベガス総会の参加報告/Report of NSPE annual meeting (PECON18 in Las Vegas)
11:15-12:00 講演2
植村監事@東京会場:風力発電の最新技術/Latest Trends of Wind Power Technology

第二部
13:00-14:30 基調講演
東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所 チーフエコノミスト
戸田直樹氏@東京会場:電気事業とインフラ産業の将来像(Utility3.0)/Utility of the Future in Japan(Utility 3.0)
14:30-14:45 休憩
14:45-15:30 講演3
泉山会員@東京会場:ライフサイクルの視点から視た建物のエネルギー消費~省エネチューニングとメンテナンス~/Building Energy Consumption examined from Life Cycle Point of View Energy Saving Tuning and Maintenance ~
15:30-16:15 講演4
山崎会員@東京会場:100年後の電気とそれを支える人材とは?/What would like to leave to electrical engineers of next century?
16:15-16:30 閉会挨拶、その他(事務局連絡など)

CPD  :5PDH(午前1.5PDH、午後3.5PDH)提供
参加費 :2,500円(JSPE会員)、3,500円(非会員)

【実施報告】

東京会場、神戸会場及びWeb 配信を同時につないでJSPE として一体となったWorkshop、JSPE Day を9月22 日に開催しました。企画が始まって5年目となる今回は、「エネルギー」をテーマに1 件の基調講演、および4件の会員講師による終日セミナーとなりました。

東京会場のNSRI ホールには37 名(講師4 名、事務局5 名含む)の参加者、神戸会場の元町・兵庫県民会館には5名(講師1 名、事務局2 名含む)の方が集まりました。また、今年はWeb 配信を再開し、4名の方に受講してだき、合計46名の参加者は総会に次いで大きなイベントとなりました。

午前の最初はPE 合格、登録者の読み上げと会場にいる対象者から喜びの一声をいただきました。PE 登録準備中の会員にとっては登録に向けて良い刺激になったのではないかと思います。

午前の講演一件目は、昨年に引き続き神戸会場の西久保理事より「NSPE ラスベガス総会の参加報告」というテーマで7月18-22日にラスベガスで開催されたNSPE 総会(PECON18)の様子やCode of Ethics小改正等などのNSPE の取り組みを紹介いただくとともに、PECON18に参加した各会員のレポートの概略を説明していただきました。NSPE と提携協定を結んでいるJSPE としては今後もNSPE との密な連携を図っていきたいと思います。


神戸会場の様子

午前二件目の講演では東京会場の植村監事より「風力発電の最新技術」というテーマで講演いただきました。再生可能エネルギーの種別ごとの発電コストと導入ポテンシャル、風力発電の最新技術や導入量、現在建設中の国内最大ウィンドパークなどを説明していただき、まだまだ日本でも風力発電のポテンシャルが大きいことが分かりました。

午後は東京会場から「電気事業とインフラ産業の将来像(Utility3.0)」と称して、東京電力ホールディングス株式会社の戸田様より基調講演をいただき、電気事業の変貌とこれからについて紹介いただきました。現在は法的独占により規模の経済性を追求したUtility1.0から低成長経済での電力事業の自由化(Deregulation)及び送電分離のUtility2.0へ移行中で、更に分散化(Decentralization)、脱炭素化(Decarbonization)、デジタル化(Digitalization)、人口減少(Depopulation)の5つのDを取り入れたUtility3.0について説明いただきました。それぞれのDについて、また実現に向けての障壁や技術的な課題についても説明いただきました。


基調講演の様子

午後の二件目講演は泉山会員による「ライフサイクルの視点から視た建物のエネルギー消費~省エネチューニングとメンテナンス」というテーマで講演いただきました。これまでは建物の費用は建設費用が主な項目でしたが、建物のライフサイクルコストとエネルギーコストを算出すると建設費は全体の約17%のみで、水光熱費が約18%、保全関連費が約40%となっており省エネチューニングおよびメンテナンスが重要な課題と説明いただきました。メンテナンスは寿命推定と予防保全の適正化が不可欠で全てのケースで予防保全が必要ではなく、不要なケースも説明していただきました。

午後の三件目の講演は東京会場から山崎会員による「100年後の電気とそれを支える人材とは?」というテーマで講演いただきました。100年後の電気を社会と消費者側から説明いただき、現在の交流主導から直流主導への変わったときのメリット、また人口減少(Reduce)、EV電池再利用(Re-use)、余剰電気の他エネルギーへの変換(Re-cycle)の3R等を紹介いただき、100年後の発電については雷や電気ウナギの可能性、人材についてはグローバル人材等の提案もありました。また、大学で教鞭を執っている山崎講師から学生が興味を持つような夢物語が必要と説明があり企業内の新人への対応にも必要なことと感じました。

講師の皆様にはお時間も無い中、本イベントにご協力いただき、教育部会一同大変感謝しております。JSPE Day も今年で5年目になりました。企画・実行部門としては、皆さんに来年も喜んで参加して頂けるようなテーマを考えて行くつもりですのでご意見、ご希望がありましたらJSPEへ連絡をお願いします。

 

JSPE教育部会/企画部会/会員部会