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【セミナー実施報告】 CPD2013関東(第8回)(第247回CPDセミナー)

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日時:2014年3月22日(土)13:30−16:00 (2.5PDH)
題名:「秒の再定義に向けたイッテルビウム光格子時計の開発明」
   Development of an Yb optical lattice clock towards the redefinition of the second
講師:産業技術総合研究所 主任研究員 安田正美先生
場所:東京都飯田橋NSRIホール
参加:16名(PE8名、PEN4名、FE2名、他2名)
時計とは何か、時間とは何かというお話から始まり、その後人類の文明発祥とほぼ同時に生まれた時計の歴史を振り返えった。6400億個の砂粒の入った世界最大の砂時計は10^12の砂で1年を計る精度、船の速度をひもの結び目の流される数で計ったことでKnotという単位になったこと、Niが36%入ったInvar合金(ノーベル賞)で振り子時計の精度を上げたこと、世界最古の中国の水時計は当時では精度が高かった話を伺がった。その後、現在の世界標準のセシウム原子時計の話、それに日本発の新技術である光格子時計の話では、とても難しい内容を、簡単な言葉や比喩をつかって説明された。例えば、原子振動とは、原子核に電子がバネで繋がっているようなもので、その電子に電磁波(電子レンジや携帯の電波のような)を照射すると電子が水風船のようにブヨブヨ動く。(そんなイメージだとのこと。)その振動にタイミングを合わせると(ブランコで速度が止まるところで力を与えるイメージ)共振、共鳴が起こり、その周波数を計測し時間の測定に使用する。原子時計では、約92億回の振動で1秒を刻み、光格子時計では、500THz(5x10^14HZ)で1秒を刻む。この回数を数えるのは、大変な事であるが、近い振動数のものとの差分であれば、その測定は比較的簡単であることを説明され、持参された400Hzと402Hzの音叉で例示し解説された。
この光格子時計は、安田先生がコイル巻から行い自作したものが産総研に2セット、その他、東大、アメリカ、韓国、イタリア(作成中?)等で、各研究機関に設備されている。各機関の時間の照合は、重力が影響するので設備の設置高さ、年に2、3センチ移動する大陸間プレートの影響まで考えないといけない。原子時計では、10年に1桁づつ精度が向上したが、光格子時計では、5年に1桁づつ精度が向上している。
最後にこの時計がどのような応用ができるかを説明頂いた。時間の精度もさることながら、重力の違いが分かるということは密度の違いも分かるということで、現在では考えられない応用があると期待される。
尚、安田先生は、今年の6月に時計に関する本(非常にやさしく書かれたもの)を出版するとのこと。セミナー参加者は、皆是非購入したいと話していた。
最後に、この光格子時計が、近々世界標準に採用され、日本人ノーベル賞受賞者が誕生することを祈念します。